ゆうあいネットPCVOL

岡山県内の視覚障害者のパソコンライフをサポートするボランティア団体です

視覚障害者のためのマイメール3入門

著作:ゆうあいネットPCVOL
作成日:2008年10月11日


はじめに

 本テキストではMYMAILⅢ(マイメールスリー)の使い方を学びます。このソフトは高知システム開発が作ったもので,視覚障害者用のメールソフトとしては大変良くできています。このソフトは有料で18,900円です。


1 電子メールとは何か

 電子メール(E-mail)はインターネット上でやり取りする手紙のようなものです。住所にあたるものがメールアドレスです。メールアドレスを持っている人なら,世界中のだれにでもメールを低料金で送信することができます。
 AさんがBさんに電子メールを送信するとします。Aさんがメールを送信すると,相手のBさんが契約しているプロバイダ(インターネット接続業者)のメールサーバにAさんの送信したメールが保管されます。プロバイダのコンピュータの中にたくさんの私書箱があると考えて下さい。プロバイダは郵便局のようなものです。Bさんはメールを受信するために,そのメールサーバ(私書箱)にアクセスしてAさんのメールを受信します。私書箱を開けるのに鍵が必要なように,受信メールサーバにアクセスするためにはパスワードが必要です。
 電子メールは基本的にテキストデータの形式になっています。本文には文章を書くわけですが,音楽や写真のデータも添付ファイルとしてメールに添付して送ることができます。


2 MYMAILⅢを起動する

(1)パソコンの電源を入れてWindowsを起動します。
(2)F12キーを押してAOKMenuを起動します。またはWindowsキーを押してスタートメニューを開いてもいいです。
(3)上下矢印キーでMYMAILⅢを選択してEnterキーを押します。
(4)MYMAILⅢが起動し、ボックス選択画面にカーソルが移動します。
(5)ここで上下の矢印キーを押すとメニュー項目の移動ができます。送受信、新規メール作成、未開封メールというように移動できます。


3 メールを送信する

 ここでは、メールの作成の手順について説明します。
(1)起動したときの状態ではカーソルがボックス選択画面上にあります。
(2)下矢印キーを押して『新規メール作成』を選択しEnterキーを押します。
(3)メール作成画面が開き、『新規』と音声ガイドされて、新しいメールの本文を入力する状態になります。送りたいメールの文章を入力します。本文入力時には日本語変換が自動的にONになります。
(4)Tabキーを押します。『宛先』と音声ガイドされます。相手のメールアドレスを直接入れる方法と、F2キーを押してアドレス帳から入れる方法があります。受信したメールの返信機能を使うと、アドレスが自動的に入力されます。
(5)Tabキーを押します。『題名』と音声ガイドされます。
(6)メールの題名(タイトル)を入力します。ここではメールの内容が一言で分かるような言葉を入力するとよいでしょう。題名入力時には、日本語変換は自動的にONされます。
(7)Enterキーを押すと、『メール作成の終了 作成中のメールをどうしますか』という音声とともに確認画面が開きます。
(8)後でメールを送りたい場合はEnterキーを、すぐにメールを送りたい場合は下矢印キーを押して『直ちに送信します』を選択しEnterキーを、メールを修正したい場合はEscapeキーを押します。
※直ちに送信(メール作成後、「直ちに送信」を選択した場合)
 『送信します。保存しておいた送信メールがあればここで一緒に送信されますよろしいですか、エンターは はい Nはいいえ』と音声ガイドされるので、Enterキーを押します。すると送信されます。
※後で送信(「後で送信」を選択した場合)
   作成したメールは、いったん未送信ボックスという場所に格納され、ボックス選択画面に戻ります。未送信ボックスに格納されたメールを送信するには、ボックス選択画面から上下矢印キーで『送受信』を選択し、Enterキーを押します。これで送信できます。


4 メールを受信する

(1)MYMAILⅢを起動するとボックス選択画面が開きます。
(2)下矢印キーを押して『送受信』を選択し、Enterキーを押します。
(3)『送受信開始』と音声ガイドされ、しばらくすると、メールが届いていれば「メールが届きました」という女性の声がします。その後『新着1件を受信』と受信したメールの数が音声ガイドされます。これで受信が終了です。新着メールがない場合は「新着メールなし」と音声ガイドされます。
(4)下矢印キーで『受信ボックス』を選択し右矢印キー(またはEnterキー)を押すと、受け取ったメールを上下矢印キーで一件ごとに選択することができます。
(5)メールを選択し右矢印キーを押すと、受け取ったメールの内容を自動的に読み上げます。読み上げを中止したい場合は、読み上げ中に左矢印キーを押します。
(6)メールの内容読み上げ後、左矢印キー(またはEscapeキー)を押すと、ボックス選択画面に戻ります。


5 メールを削除する

 メールを削除するにはメール一覧でそのメールを選択し、ALTキーを押して下矢印キーで「このメールを削除」を選択してEnterキーを押します。またはDeleteキーを押し、続いてEnterキーを押してもよいです。削除の確認画面が出ますので、もう一度Enterキーを押すと削除が実行されます。


6 メールの返事を書く

 受け取ったメールに返信することができます。このときメールを送ってきた相手のメールアドレスが自動的に宛先に設定され、相手の書いた文章を確認しながらメールを作成することができます。
(1)ボックス選択画面で『受信ボックス』を選択し右矢印キー(またはEnterキー)を押した後、上下矢印キーでメールを選択し、Enterキーを押してメール参照画面を開きます。このときメールの本文を読み上げますが、Escapeキーを押せば読み上げを中止できます。
(2)Altキーを押して、メニューを選択します。『操作』と音声ガイドされます。
(3)下矢印キーを押して、『返事を書く』と音声ガイドされたら、Enterキーを押します。
(4)『返信 本文 1の1 だいなり』という音声とともにメール作成画面が開きます。このとき、受け取ったメールの本文には、行頭に「> 」がつきます。この行頭の「>」のことを引用マークと呼び、引用マークのついたメールの本文のことを引用文と呼びます。引用文は低い音声で読み上げます。引用文はできるだけ最小限にするのがマナーです。不要な引用文は削除しましょう。
(5)本文を入力し、Tabキーを押すと『宛先』という音声の後に、メールを送ってきた相手のメールアドレスを読み上げます。通常、返信する場合、宛先を修正する必要がないのでEnterキーを押します。
(6)『題名』という音声の後に、『Re: 』という音声ガイドと相手が設定した題名を読み上げます。「Re: 」は、相手に対して返信したことを表すので、そのままEnterキーを押します。
(7)『作成完了 後で送信しますか』という音声とともに確認画面が開きます。
(8)後でメールを送りたい場合はEnterキーを、すぐにメールを送りたい場合は、下矢印キーを押して『直ちに送信しますか』を選択しEnterキーを、メールを修正したい場合は、Escapeキーを押します。


7 アドレス帳に直接入力して登録する

(1)MYMAILⅢを起動し、ボックス選択画面からAltキーを押して、メニューを選択します。
(2)『操作』と音声ガイドされますので、↓を押して『アドレス帳』を選択し、Enterキーを押します。
(3)アドレス帳のアドレス一覧画面が開き、メールアドレスが1件も登録されていなければ、『アドレスが1件も登録されていません』と音声ガイドされます。
(4)メールアドレスを追加するには、ファンクション2のキー を押します。
(5)『追加入力 読みがな』と音声ガイドされ、アドレス追加画面が開きます。
(6)メールアドレスにつける名前の 読みがなを入力し、Tab キーを押します。
(7)『名前』と音声ガイドされます。メールアドレスにつける名前を入力し、Tabキーを押します。
(8)『メールアドレス』と音声ガイドされます。メールアドレスを入力し、Tabキーを押します。
※備考が1から3まであります。メールアドレスについての情報などを入力し、Enterキーを押します。もし何もなければ記入する必要はありません。
(9)『アドレスを追加しますか』という音声とともに、確認画面が開きます。Enterキーを押すと、メールアドレスが追加され、『追加しました』という音声ガイドとともに、アドレス一覧画面に戻ります。


8 受け取ったメールから相手のメールアドレスを登録する

(1)受信ボックスから上下矢印キーでメールを選択し、Enterキーを押してメール参照画面を開きます。
(2)Escapeキーを押して読み上げを中止した後、Altキーを押してメニューを選択します。『操作』と音声ガイドされます。
(3)下矢印キーを押して『差出人をアドレス帳に追加』と音声ガイドされたらEnterキーを押します。
(4)『アドレス帳 追加入力 読みがな』と音声ガイドされますので、読みがなを入力し、Tabキーを押します。
(5)『名前』と音声ガイドされます。メールから自動的に名前が入力されているのでTabキーを押します。
(6)『メールアドレス』と音声ガイドされます。メールから自動的にメールアドレスが入力されているので、Enterキーを押します。メールアドレスが追加され、『追加しました』という音声ガイドとともにメール参照画面に戻ります。


9 アドレス帳に登録したメールアドレスを使う

 アドレス帳に登録したメールアドレスは、メールを作成する時の宛先を入力する際に使用します。ここでは新規メール作成時に宛先をアドレス帳から入力する方法について説明します。
(1)宛先入力時にAltキーを押してメニューを選択します。『操作』と音声ガイドされます。
(2)下矢印キーを押して『アドレス帳から入力』と音声ガイドされたら、Enterキーを押します。
(3)アドレス帳のアドレス一覧画面が開き、登録されている最初のアドレスを読み上げます。
(4)上下矢印キーで入力するメールアドレスを選択し、Enterキーを押します。
(5)宛先にメールアドレスが入力され、メール作成画面に戻ります。
※宛先入力時にアドレス帳のアドレス一覧画面を開くには、メニューから選択する方法とファンクション2キーを押す方法があります。


10 メールにファイルを添付して送る

 MYMAILⅢでは、メールと一緒にファイルを送ったり、受け取ったりすることができます。このメールに添付されているファイルのことを「添付ファイル」と呼びます。メールにファイルを添付する方法について説明します。
(1)メール作成画面を開きます。
(2)ALTキーを押してメニューから上下矢印キーで『添付ファイル』を選びenterキー(または右矢印キー)を押し、『添付ファイルの挿入』と音声ガイドされたらenterキーで実行します。
(3)『ファイル名の文字入力』と音声ガイドされたら、添付ファイル名を入力するか、Tabキーを1回押してから上下矢印キーでマイドキュメント内のファイルを選択し、Enterキーを押します。
(4)ファイルを添付するかどうか確認画面が開きますので、添付する場合はEnterキーを、添付をやめる場合はEscapeキーを押します。
※返信時、下書きメール作成、修正時にもファイルを添付することができます。
※ファイルは何個でも添付することができます。
※大きなファイルを添付すると、メールの受け取りに時間がかかったり、メールを送れなかったりすることがあり、受け取る方が迷惑する場合があります。


11 受け取った添付ファイルを保存して開く

 メールにファイルが添付されていれば、そのファイルを保存したり、開いたりすることができます。
(1)メール選択画面で「添付ファイルあり」と音声ガイドされるメールを上下矢印キーで選び、Enterキーを押して参照します。
(2)Escapeキーを押して読み上げを中止した後、ALTキーを押してメニューを開き、上下矢印キーで『添付ファイルの保存』を選びEnterキーを押します。
(3)Tabキーで『保存する添付ファイル』か『添付ファイルを開く場合』を選択し、Enterキーを押します。ここでは『保存する添付ファイル』を選択します。(すぐに開くよりもマイドキュメントにいったん保存しておいた方が安全です。添付ファイルがウイルス感染している場合があるからです。)
(4)Tabキーを2回押して『現在のフォルダで決定』でエンターキーを押します。『保存終わり』と音声ガイドされたら、マイドキュメントに保存されています。
(5)マイドキュメントを開いて、上下矢印キーで保存した添付ファイルを選んでEnterキーを押して開きます。


12 MYMAILⅢを終了する

(1)MYMAILⅢを起動し、ボックス選択画面上でAltキーを押します。
(2)メニューを選択する状態になるので、上矢印キーで『マイメールの終了』を選択します。
(3)Enterキーを押すとMYMAILⅢが終了します。


13 MYMAILⅢのショートカット

音声スピード F7
音声ボリューム F11
画面拡大 F6
返事を書く Ctrl + R
添付ファイルを挿入する(保存する)  Ctrl + T
差出人をアドレス帳に追加 Ctrl + F2
連続メール読み Alt + F10
添付ファイル名 読み上げ Alt + F7
アドレス帳 F2 ※ただしメール一覧(メール選択)画面では「会話メール」抽出モードと通常モードと切り替えになります。
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